飛べない鳥に、口づけを。






そんなあたしを、樹君は笑顔で見てくれる。

あたしの大好きな、太陽みたいな明るい笑顔だ。

そして、その笑顔のままこう言ってくれた。




「ありがとう、嬉しい」





胸に数千もの矢が突き刺さる。

いや、数千ものシュートが放たれる。

きゅんきゅんと甘い音を立てるあたしの胸は、樹君によって破壊されてしまいそう。

恋ってこんなものなんだ。

こんなに甘くて幸せで、頰が緩んで身体が熱くなって、樹君のことしか考えられなくなるんだ。