ある日。
目を覚ますと、携帯の着信音が鳴っていた。
「けい!まだ寝てるの!?今日は朔夜くんと出掛けるんでしょ!?」
お母さんからだった。
「え?朔と?」
私は起き上がって、朔夜とのメールを見る。
''じゃあ、9:00に時計台な''
確かに、朔夜と約束していた。
「8:00か…。え!!やば!」
私はいそいでベッドから出て、階段を駆け下りる。
私はあれ?と思い、1度立ち止まって振り返った。

「ここ、どこ…?」

辺りを見回すと、来たことのない家だった。
洗面所を探して、顔を洗おうと鏡を見る。

「き、きやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

(私じゃ、ない!!?)
顔が、いつもより大人っぽくて、背も少し伸びているようだった。
「な、なんでなんで?」

リビングに入り、テレビを付ける。
「2022年も、もうすぐ終わりとなりますね!坂本さん、今年はどんな1年でしたか?」
「そうですねぇ、私は……」

「にせん…にじゅうにねん…?」
私がいた所は元々2017年。
つまりここは、五年後の世界という事だ。

「えぇぇぇぇ!!?」