指輪を買ってお店を出る時いやに紙袋が大きくてはて?と思いつつも繋がれた手に導かれるまま停めていた車に着いた。

そして再び手が離れて助手席に収まる。


「守さん、色々連れてってくれてありがとう。この指輪も大切にするね。」
照れながらもちゃんと気持ちを伝える

目が合った守さんが今日1番の蕩けるような笑顔を浮かべている。

「うん、どういたしまして。洋子が喜んでくれて僕も嬉しいよ。今度からどこでも連れて行くよ。一緒にこれからもいろんな所に行こう。」

微笑みながら頬に手が伸びてきたので、その手を捕まえて私から頬をすり寄せる。
蕩けるような笑顔のままで守さんの顔も近づき頬にキスを落としてくれた。
甘えてもそれを受け止めて包んでくれるから安心する。
なんて心地良いんだろう。

「ふふ、洋子が自分から甘えてくれるって凄い嬉しいものだね。」

もう1度頬にキスをして守さんが身を起こす。


「このままだと洋子を家へ帰したくなくなるな。1日で急展開させた自覚はあるからね。今日はちゃんと部屋まで送るよ。」


そう言ってエンジンをかけて車を運転してくれる。

初めての恋、初めての恋人。

慣れてないし、ドキドキも半端ない。
まるでジェットコースターみたいに早いスピードで進む。

でも嫌じゃないんだ。

不思議とこのまま離れたくないと思ったけれど、やっぱりこの早さに不安もあるから・・・

送ってくれるという言葉に安心と少しの寂しさを覚えていた。