そうして見ていた所に

「お待たせしました。こちらどうぞご覧ください。」

そう言ってビロード生地のお皿の上にのっているのはシンプルなデザインのシルバー色のプラチナリングとピンクゴールドのリング。

それと少しウェーブがかかったタイプのリングもプラチナとピンクゴールドがある。

「洋子、手出して？」

そう言われたので左手を差し出すと
ウェーブのあるリングのピンクゴールドの指輪が嵌る。

丸みが柔らかいイメージを持たせる。

それを外すと今度はシンプルなデザインのプラチナリングを嵌める。

シンプルなデザインの方は何だかよく見ていた両親のマリッジリングに似ている。
そう思って眺めていると


「こっちだね。これ、そのまま付けてくから箱だけ袋にいれてくれる？」

そう言うとサッとカードを出して支払ってしまう守さん。


「守さん、こんな高いの･･･」

「洋子は僕のだって印だよ。そしてこっちは僕が洋子のものだって印。今日から外したらダメだよ？」

にこやかに言う守さんに頬が熱くなる。
きっと真っ赤に違いない。

「分かった。ありがとう、守さん。」

そう伝えて私から彼の手を取った。


すこし驚いた顔をした後、甘く微笑んで繋いだ手を持ち上げ指輪をしている薬指にキスをされて今度はこっちがびっくりした表情で固まってしまった。


「洋子から行動してくれたのが嬉しくって、ついかな。可愛いよ、洋子。」

甘く微笑む守さん。

この人には敵わない。
そう思った。