<祐side>


夏休みに入って、今までの暑さがより一層増した。


セミはワシワシうるさい。


ほんの一週間の命だというのに、こいつらは俺の何百倍も生きてる感じがする。


エネルギーの強さはたたえるが、鳴き声がじゃまだということに変わりはない。



…あの日以降も、渓とは幾度か連絡をとっている。


例の、生存確認というやつだ。


それでも、いろいろな話を聞かせてくれるので、俺は楽しみに待っている。


でも、待っているだけで、俺から送ったことは一度もない。


…よし、たまには俺から送ってみるか。


渓のやつ、驚くだろうな…。