「あ、あいてるけど…」


「そっか。まあまあ、なんも言わんとついてきてや。んじゃ、ばいばい、真琴」


「えっ、あ、ちょっと」


渓くんは半ば強制的に祐を連れてどこかへ行ってしまった。


大阪うまれの渓くんは、今年転校してきたばかりで、大阪弁がまだ抜けずにいた。


気さくな雰囲気と持ち前のおしゃべりのせいか、今ではクラスのムードメーカー的な存在になっている。


大の人気者だ。