父さんが知らないのも当然だろう。

門を知るのは、番人か死者になる者ぐらいだ。

「仕方がないよ……この世には、
知らないことや不思議なことはある。それに……」

僕が言いかけたとき拍子の戸が開いた。

「それは、仕方がないさ。
死者の門のことは、教えんかったからねぇ~」

「お祖母様!?」

父さんと母さんは、驚いていた。

この老人は、父さんの祖母。
僕達のひいお祖母様……そして

「先代様……」

「えっ?もしかして……お祖母様が……」

「うん。ひいお祖母様が
僕達より前の『朱雀門』の番人だよ!」

まさかの発言に父さんも母さんも驚いていた。