ジェフは燻んだ金髪を揺らし、「ギル。そろそろその口を閉じないと、車から降ろされるぞ」と忠告する。


「……つまり、報告には無い、”俺たちが駆り出される重大な何か”が、ゴーンシティで起きてるってことだ」


彼の耳を自身の口元に近づけ、小声でそう教えてやれば、お調子者はキラキラとした瞳でジェフを見つめた。


「ジェフ、お前ってやつは……頭が良いなぁ」

「お前の能天気さと、射撃の命中率には負けるがな」


100人の特殊部隊を積んだ車は、激しく揺れながら山奥にあるゴーンシティに向かってエンジンを全開にし、山道を駆け上がって行った。