「パパ、だめぇーっ!!」
自身の叫び声に混じって、ティアラの声が聞こえた。
顔を上げれば、キッチンにいたはずのティアラがライアンさんの両足に突進していた。
後ろにバランスを崩した彼の銃口は上を向き、ダンッ!っと天井の壁に穴が空く。
「ティアラ!」
私が急いで彼女の身体を父親から引き剥がすのと、玄関の扉がぶち破られるのとが同時に起こり、数体の屍人が家に進入して来てしまった。
目の前では、あり得ない角度から棒のように体勢を直したライアンさんだったものが、無差別に銃を発砲し出す。
「キャーッ!」
「サラ、怖いようっ」
身を屈めている私たちのすぐ側を、弾丸が通っていく。
その内の一発が、家に入って来た屍人の頭を貫通し、血塗れの身体は力無くキッチンに倒れ込んだ。
「ティアラ、今よ! 外に逃げるの!」
これがこの家から逃げ延びれる最大のチャンスだと踏んだ私は、パニックで泣き叫ぶ少女の手を引き、お世話になった家を振り返ることなく、夜の帳へと駆け出した。
自身の叫び声に混じって、ティアラの声が聞こえた。
顔を上げれば、キッチンにいたはずのティアラがライアンさんの両足に突進していた。
後ろにバランスを崩した彼の銃口は上を向き、ダンッ!っと天井の壁に穴が空く。
「ティアラ!」
私が急いで彼女の身体を父親から引き剥がすのと、玄関の扉がぶち破られるのとが同時に起こり、数体の屍人が家に進入して来てしまった。
目の前では、あり得ない角度から棒のように体勢を直したライアンさんだったものが、無差別に銃を発砲し出す。
「キャーッ!」
「サラ、怖いようっ」
身を屈めている私たちのすぐ側を、弾丸が通っていく。
その内の一発が、家に入って来た屍人の頭を貫通し、血塗れの身体は力無くキッチンに倒れ込んだ。
「ティアラ、今よ! 外に逃げるの!」
これがこの家から逃げ延びれる最大のチャンスだと踏んだ私は、パニックで泣き叫ぶ少女の手を引き、お世話になった家を振り返ることなく、夜の帳へと駆け出した。



