暗闇の中、必死に目を凝らして手探りで寝室に戻る。


月明かりにぼんやりと照らし出されたライアンさんの背中を見つけ、安堵した私は足をベッドにぶつけないように、慎重に大きなその背中に近寄った。


「あの、もしブレーカーが落ちただけなら、電気、私が点けてきます! どこにブレーカーの機械、置いてありま……」


耳を澄ませば、気管支で痰が動いているような、グルルッと低いゴロ音が聞こえる。


「……ライアン、さん?」


声を掛けても微動だにしない彼を不審に思い、少しずつ後退する。



月明かりの中、ゆっくりと振り向いたその人は……血走った瞳で、私を見つめていた。



「ごっ、あ、がっ、」


声にならない声を上げながら、グルグルと定まらない眼球で、銃口のみをこちらに向ける。


「いやっ、いやっ……。やめて、お願い……」


両手を上げて顔を左右に振り拒絶するも、外にいる彼らと同じ顔付きに変わったライアンさんは、ドッシリとした足取りで、距離を詰めてきた。


グッと引き金が弾かれるのを感じ、頭を抱えてその場にうずくまる。



「いやーっ!」