教会のステンドガラスが割れ、中に数体の【killer】が浸入してきた。


「う、うわぁぁぁ! 出たぁぁぁ!」


札束を宙に放り投げ、ムッシュは幼いティアラを押し退けて、赤いベンチの下に隠れ出した。


「きゃっ!」

力のままに突き飛ばされた少女は、胸を床に打ち付けた後、涙目でその場にうずくまる。

「ティアラ!」

サラがその震える小さな身体を守るようにして、抱きとめた。


トニーは中に浸入してきた者の顔を見て、絶望している。


「あ、ああ……彼らは、教会周辺の見回りに出て行った人たちです……そんな、彼らも【killer】に……」


バンッ、バンッと銃を連射し、一体、また一体と敵を撃ち抜いていくジェフ。


その腰につけている無線機から、慌ただしいギルバートからの、電波が入る。


《ジェフ、ジェフ! 聞こえてるか?! 本部は全滅だ、もうお終いだ! ワケの分からねぇ怪物が、めちゃくちゃにしやがった!! 隊長も攻撃を受けて負傷してる、とりあえず俺は街に隠れて隊長を手当してから教会に向かう、そこで待っててくれ!》


あらかた敵を葬ったジェフは、無線機を手に取り応答する。


「ギル、教会には生存者が4人いる。だが、ここも奴らの襲撃を受けていて、もう持ちそうにない」


《そっ、そんな……》