「はっ! なんだなんだ、Q.P.CだかABCだか知らんが、ワシらを助けに来たんじゃないのか!」


神聖なる教会に、嗄れた声の怒号が響き渡る。


「さっさとこんな街から出せ! ワシを助けたなら、金はたくさんつぎ込んでやるぞ、若造」


金で汚れた世界で生きてきたムッシュは、懐から札束をちらつかせる。


ジェフは教会の外から近付いて来る足音に、ピリッとした緊張感を巡らせた。

「ムッシュ=フューズ殿。生きるか死ぬかのこんな状況では、そんな札束など紙切れに等しいぞ」


「なんだと?! 政府の犬が偉そうな口を叩きおっ……」


彼がそこまで言いかけた、その時だった。