「ですが、その日の夜……街に異変が起きたのです」


深夜に出歩いていた者の悲鳴が、街に木霊しました。


悲鳴を聞いた者が外に出て見てみると、そこには……虚ろな目をした警察官が、住民に噛みついていました。



『あんた、何やってるんだ!』
『誰か、助けてくれ!』


男数人がかりで急いで引き剥がしに掛かりましたが、警察官は人とも思えぬ怪力で拘束を振りほどき、次々と住民を襲い、手に掛けました。


……そして、喉元や心臓を食い千切られ、絶命した筈の住民達も息を吹き返し。


『いやぁぁぁ! やめてぇぇ』
『あああ! 痛い、痛い……』


生者を、街を、襲い始めたのです。