どくん…どくん…






鈴木の告白から時間が経ったな…

凛は返事をまだしてない。

やっぱり迷ってるのか?
あんなに嬉しそうに顔を赤くして。



「す…鈴木くん‼︎」

「は!はいっ‼︎」

鈴木が顔を上げると
今度は凛が頭を下げた。



「ご、ごめんなさい‼︎」



ほっ…



俺はその言葉を聞いて
今までで1番ってほど安心した。



「やっぱ…そうだよな…」
鈴木が笑顔で返すと

「でもね‼︎とっても、とーっても
嬉しかったよ‼︎これは本当。」

凛が一生懸命励ました。

「そんなに励ましてくれて
ありがとう。蒼井さんはやっぱ優しいや」

「違う‼︎本当に嬉しいの‼︎」

ポロッ



え!?



凛の目からは涙が溢れていた



「え!ごめん。俺に好かれるの
そんなに嫌だった?!」



クソッ…

俺は出て行きたくてたまらなかったが、
今出て行くと盗み聞きしたことが
バレてしまう…。


鈴木の奴泣かしやがって…



「私ね…」

「うん…?」

「生まれて初めて告白された‼︎」

「うん……え。ええええええ!?」



えええええええええ!?



俺も鈴木も驚くのは無理もない。


だって、凛は真琴と同じで
はかなりモテるし…

告白なら毎日のようにされているのかと…




「俺が…初めてなのか?」

「うん!」

照れながら、鼻も頰も赤く染めながら
泣きながらもそう答えた。


「俺に好かれて嫌じゃなかった?」
「全然‼︎私ね、
好きとかまだ分からなくて…
でも、好きって伝える事は
凄く勇気がいると思う。だから…」

凛は涙を拭って
めいいっぱいの笑顔でこう答えた。

「私を好きになってくれてありがとう‼︎」



……




「あれ…?鈴木くーん?」


鈴木はしゃがみ込んで顔を
両手で覆っていた。


耳まで真っ赤にしながら。



「俺、これからも好きでいても良い?」
「え!あの…でも私…」
「大丈夫‼︎俺頑張るから‼︎」
「じゃあ…友達として…」
「うん‼︎これからもよろしく‼︎」
「ひゃぁっ!?」

鈴木は凛の手を握りしめた。

「友達の握手‼︎」
ニコッと笑って凛にそう言った。
「う…うん…」
照れながらも凛がそう頷く。
「蒼井、顔真っ赤‼︎」
「だって…」

2人の笑い声が空中庭園に響く。




友達だ…鈴木は振られた。
鈴木と凛は友達。今のはただの握手。


そう分かっていても、

鈴木に手を握られて
顔を真っ赤に染める凛を見ると

胸がきつく締め付けられるように感じた。