体が火照る。
眠いのに。
夢現(ゆめうつつ)に思う。
ひんやりと冷たい何かが私の頬に触れる。

…あ、離れてしまう。

その冷たい何かにそっと触れる。
「…冷たい…きもちぃ…」
薄目を開けた私の目は焦点が合わず、ぼやぼやとした人影が映る。

睡魔には抗えず、深い眠りに沈んでいく。


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目を覚ますと、そこは知らない天井だった。
隣には人の温もりを感じる。

ハッと目を覚ますと、そこは昨日見たままだった。
夢であればと思っていたけれど。

手は温かな何かに包まれていた。
その何かを見てみると…

「きっ…むら…くん…?」

私の手が握っていたのは木村くんの手だった。

「あ…、起きた?」

起きたてで焦点の合わない目を擦りながら木村くんは笑った。

「...っ、手は…というか、なぜここに…」
「夜中水を飲みに来たら、かよちゃんがうなされてて、熱そうだったから熱はかろうかと思って、寝てたけど触れてみたらかよちゃんの手が…」

申し訳なさそうに、少し照れくさそうに彼は話した。