「三間くんの為に、お別れ会をしようと思います!」

私は、健斗のお別れ会で、クラスの装飾係になった。
みんな、色々な準備をしてきた。
この日のために。

「これから、三間くんのお別れ会をはじめます!」
みんな歓声をあげる。
沢山ゲームをしたり、歌ったり、すごく楽しい時を過ごした。

「みんなに、渡したい物がありまーす!」
健斗はそう言って、出席番号順にプレゼントを渡していった。

「…吉見さん、今までありがとう。」
「う、うん…。」

「おい、健斗ー、お前いつ外国行くの?」
「えっとねー、5日後かな。」
(5日後!?早い…。そんなに早かったなんて…。)

帰り道、私は黙っていた。
「…吉見さん。俺が渡したプレゼント、中見た?」
「え?見てな、いよ?」
「お、おぅ、そっか。」
私はランドセルからプレゼントを取り出す。
「今、見ていい?」
「え!!…い、いやぁ〜…」
健斗は顔を赤く染めて、ふぅとため息を吐いた。
「いいよ、見て。」
中には、花柄で''YUI''と書かれた刺繍のハンカチと、手紙が入っていた。
「ハンカチ…可愛い!」
「だろ!吉見さん、何が好きかなーって思って、結構悩んだんだけど…。」
「そうなの?私、水色すっごい好きなの!」
健斗は目を丸くして驚いた。
「ま、まじ!?よかったぁ〜」
(すっごい嬉しい。こんなにいいものくれるなんて…。)

スッ

健斗は、プレゼントの中から何かを取り出した。
「今、何出したの?」
「あー、いや。間違えてメモ入れちまったんだよ。」
「そっか。」


家に帰り、プレゼントをゆっくり見た。
(手紙、ふふ、癖のある字だなぁ…。)
袋の中に、小さなメッセージカードが入っていた。
「…これ…!」

''いつも、健斗と一緒に学校に行ってくれて
ありがとう。楽しかったよ!遠くに離れてても、元気でね。 けんとと、けんとの母より''

健斗のお母さんからだった。
(これ…私のために…!)
嬉しくて、涙がこぼれそうになった。