お料理をしていると、先生はお目覚めになった。

 お夕食につくった野菜スープも、感動しながら召し上がってくださった。


 これから、どうしよう。

 わたしの中で、迷いが生まれた。


 このまま帰ってしまうと、先生はひとりぼっちだ。

 身の周りにいろいろと不安があるだろう。


 このまま、朝までそばにいよう。

 この状態なら、手も出せないだろうし……。


 つまり、わたしが先生のそばにいたかっただけなのだけれど。