恋はいつだって難しい


「キスしてごめん。でも、俺、本気だから。そんなに辛い片想いなら、俺にしろよ」

唇を離した後、真っ直ぐに私を見て、始はそう言った。

何が起きてるのか、何を言われてるのか、私はよく分からなくて。

でも、もしかしたら、なんだか凄いチャンスなのかもしれない、と感覚でわかった。

「わたし、私、は。私がずっと好きだったのは、始。始なの」

言ったら終わり、伝えられない恋、友達でいいんだってずっと思ってた。

そう、思い込むようにしてた。

でも、もし伝えていいのなら。

「今までの片想いは全部ウソ。初めてキミに片想いの話をした時から、その相手はずっと始だったよ」

私は伝えられなかった本当のことを、つき続けてきたウソを、全て吐き出した。

窓の外からは、それを祝福するように、カーンと野球部のバットの音が聞こえてきた。