「お互い、片想いってのもラクじゃないね」
私の言葉に、始の手が止まる。
その時初めて、椅子から乗り出すようにして私の涙を拭いていた始の体が近いことに気がついた。
息がかかってしまうようなキョリで、どれくらい見つめあっただろうか。
少なくとも、私の涙が完璧に乾ききるくらいの時間が経って、
私たちのキョリが一気にゼロになった。
目の前に、始の顔。
唇には、温かい感触。
「!」
何が起こったのかわからないまま、アホみたいに硬直しているうちに、唇が離れる。
「あの、…んっ」
何か言わなくちゃ、と口を開いたところで今度は少し荒っぽく2回目。

