始はそう言って、私を優しく抱き寄せた。
少し速い心臓の音は、緊張してる証だろうか。
私の心臓の音も、聞こえてるのかな。
「何で最初から私のこと好きって言ってくれなかったの」
「そんなの言えるわけないだろ。楓こそ、変に作り話とかするから俺すっごい落ち込んだんだぞ」
「その割にはちょくちょく私の片想い聞きに来たけど?」
「どんな男が好みなのかリサーチしてたんだよ」
そんな風に言い合いしてから、おかしくなって笑いあった。
ずっとお互い好きだったのにバカみたいだ。
始を見あげると、始も優しくこちらを見つめていた。
そのまま、その整った顔が近づいてくる。
3度目のキスは一番甘くて、それから。
「…ん」
長くて、少し、大人なキス。

