「おはよう。
あれ?昨日と服の色違うね」

「「……え?」」

「だって、昨日は鈴桜くんが水色で史桜くんが白色だったよね?」

「「……っ!?」」



彼女の言葉に教室がざわめく。

入れ替わっていたのか、とかそっくりすぎて見分けがつかない、とか。
どうやって見分けたのかとか……

ざわめく教室の音が何も入ってこない程の衝撃だった。

どうして……どうして…………?



「「なんで分かったの……?
今まで初対面では誰も分からなかったのに……」」

「え、そうなの?
なんでって言われても……二人は“全然違うじゃない”」



サラリと言い放たれたその言葉は僕達の世界を切り裂くには十分だった。

崩れていく。
僕達が作り上げてきた世界が。

壊れていく。
他人との間に敷いた境界線が。

双子であること、似ていること。
全て取り上げられる……。



「二人は似てるけど一緒じゃないもの」



ふわりと優しく笑うその笑顔も悪気のない言葉も僕達にとって恐怖でしかなかった。

その時、がたんっ!と大きな音がした。
その瞬間僕の横を何かが通り抜けた。



「史桜!」



響葵の焦った声で、通り抜けたのが片割れだと理解する。

“僕達の世界に入ってこられそうで怖いよ”

そう言った史桜の顔がよぎる。
それと同時に僕はハッとする。

追いかけなければ、何か声をかけなければ。
そう思って立ち上がって駆け出そうとした時、手を掴まれるような感覚がして立ち止まる。