朝起きて顔を洗って、朝ごはんの用意をする。
そうしてたら片割れ…史桜がかなり眠そうに部屋から出てくる。

史桜は朝に弱い。
僕は夜に弱い。

似ているようで違う僕達。
僕も史桜もお互いに似せようとわざとしているのであって、全く同じわけではない。



「史桜、顔洗っておいで」

「…………ん。」



目を擦りながら洗面所に向かった史桜。
きっと戻ってくる頃にはいつも通りなんだと思う。

この家には僕と史桜しかいない。
両親は僕達を捨ててどこかへ行った。

大方、それぞれに相手を作ってそれぞれの相手と幸せに暮らしているんだろう。

僕達は少なくとも望まれて生まれたわけじゃない。

両親は今のご時世では珍しい政略結婚ってやつで、財閥を大きくするためだけの結婚だったらしいし、跡継ぎをそれぞれの家の分……つまり2人産めばあとは離婚さえしなければなんでもありらしい。

その必要とされた子どもが僕達……というわけでもない。

仮にそうだとしたら僕も史桜も毎月お金だけ渡されてフワフワと生活できてるわけがない。

会ったことはないけど、上に二人いるらしくてその二人がそれぞれの家を継ぐらしい。