「確かに黒炎は隠れるのが上手い。
餌でもないと動かないとは思うけど……」

「トップレベルの族。
さらに俺達が情報を仕入れやすいことを考えると風華が適任だった」

「だから白鷺との関係を仄めかす為にBARの情報を?」


頷いた俺に溜息をつき、呆れた顔をしている彼。


「でも、辿り着けてないじゃん」

「そうなんだよね……」


確実な場所は書いてはいないとはいえ、ヒントはあったはずだった。

それなのにも関わらず、辿り着けなかったのは想定外だ。


「とりあえずさ、今のやり方は良くないと思う」

「……分かってる」

「此花の二の舞はごめんだからな」

「それは無いから安心してよ」

「それはどうだか……」


すっと目を閉じた彼。
閉じられていた時間は一瞬であったが、それはとても長いような気がした。


「もう一度言うけど……

相手を騙して餌にして、利用しようとする。
今お前がやろうとしていることは…………」


初めに言われた言葉と同じ事を言われる。
しかし、今度は冷静に聞くことが出来たらしく反射的に手が出ることは無かった。







黒炎がやったクズみたいなやり方と一緒だ───