ー母ー

ー17年前

「瑠羽ちゃーん!」

『あ!また会ったね!』

瑠羽は公園でよく会う男の子と遊んでたの

『今日は何する?』

「んー...僕のお家でかくれんぼしよ!」

『うん!』

瑠羽の家だとずっと広すぎて迷子になるかもしれない

だから、瑠羽には家には連れて来ちゃダメって言ってたの

まさか、それが悲劇を生む原因になるなんて思わなかった

私は仕事があって忙しかったから男の子の家には行かず、家に帰ってた

今日も私だけ家に帰って仕事をしてた

もちろん瑠羽と男の子は男の子の家

ここまではよかった

...だけど、異変があった

帰ってこないの...瑠羽が

もう18時。いつもは17時には帰ってきてるのに...

不安になっていると、電話がかかってきた

それは...瑠羽が車に轢かれたという内容だった

なんで...なんでなんでなんで!?

震える体をぎゅっと抱きしめ、瑠羽が搬送された病院に向かった

命に別状はないと医師は言ってたけど、表情が曇ってた

私はそんなことは気にせず、瑠羽の病室に入った

瑠羽はもう目が覚めてた...けど

病室に入ってきた私に...瑠羽はこう言ったの

『あなたは誰ですか?』