待ち人が来たのはここから更に30分後。
つまり、待ち合わせの時間から3時間も遅れた時間だった。



「あー!!!鳳舞!
やっときたー!」

「遅い」



遅れているというのに待ち人は藍色の髪を風になびかせてのんびりと歩いている。

翡翠の瞳が琳埜と琉飛をとらえると、その目は申し訳なさそうにすっと細められた。

待ち人は待ち人なりに、遅れたことを申し訳ないとは思っているのだ。

そもそも、待ち人は誰よりも早く家を出て本来なら誰よりも早く待ち合わせ場所に来ることが出来るように動いている。

それなのにも関わらず、気がつくと待ち合わせ時間を大幅に過ぎているのだ。

こればっかりは直せそうもない。と待ち人は思う。



「悪い、遅れた」

「遅れすぎ!
もう!いつも何してるの!」

「……悪い」



それは何に対しての謝罪なのか。
それは待ち人にも琳埜達にも分からない事だった。

謎だらけの待ち人……飛吹鳳舞を含む3人が彼ら忍者としてのチームである。



「忍(しのび)として約束を守るのは絶対でしょ!
依頼人を待たせることになるんだから!」

「…………」