決意に満ちたその声は普段の無感情そうな空気を消しており、その視線は鳳舞と琳埜に向いていた。

彼もまた、チームメイトが大切なのだ。

忍の世界は甘くない。
ひとつのミスで簡単に命を落とすこともある世界だ。

鳳舞と琉飛は滅ぼされたとはいえ、もとより忍の一族。

その世界に身を置くことも、己の使命のためにその命を落としてしまうことも覚悟をしているし、その運命を受け入れている。

だが、琳埜は違う。
琳埜は一般家庭の生まれだ。

強いて言うなら、琳埜の父親が少し国の政治に関わる職をしているくらいだろう。

その為、琳埜が忍になると言い出した時には勘当騒ぎになる程の大喧嘩が起こったそうだ。

半ば無理矢理に忍になった琳埜はあっという間に頭角を現した。

それは、琳埜の同期が一番近くで見てきただろう。

琉飛と鳳舞と組む時は琳埜の実力は彼らの足でまといと言われるほどであった。