「お前の疑問はなんだ」

「資料を回収するだけならお前じゃなくてもいいはず。
なんで琉飛なの?」



鳳舞が今回の任務に違和感を感じたのは、それが理由だった。

何度も言うが、このメンバーはトップクラスの実力である。
彼らの階級は上忍。

下手をすれば部下を持って任務に行ってもおかしくない。
まだ若いためにそういった話はあまり表には出ないが……



「資料の内容が重要機密だからだろう」

「それなら中忍でいいはず」



鳳舞の言葉に納得する琉飛と琳埜。
普段のんびりしている鳳舞だが、誰よりも頭の回転が早いのだ。



「それに、琉飛の任務に俺達がついていくと分かっていたかのように俺にも琳埜にも任務がなかった」

「あ、そういえば!」

「…………里の上層部、何か企んでる」

「何か?」

「この任務の裏に1人では不可能な……そして、俺達でなければならない隠された任務がある」



今までどこかふわりとしていた空気を醸し出していた鳳舞だが、ワントーン声が低くなった瞬間に雰囲気が鋭くなる。

その空気に琉飛も琳埜もゾッとする。
味方ではあるが鳳舞の実力は桁外れだ。

心強くもあるがどこか危うい鳳舞は時に恐怖の対象となるのだ。

どこか緊迫した空気の中、とりあえず休むことにした彼ら。