「私は、断られ続けて、諦めたわ。そして、そういう人たちと関わることを、敢えて避けてきた。でも、あなたは…
あなたのことを断る人にも、割って入る努力をするのね。あなたは何時だって、意地汚い方法でだって、絶対に諦めないのね」
そして、彼女の表情は、今までに見たことない程に、必死でいらしたのです。
私は、親しく聞いて差し上げたくなりました。
しかし、私には野球部のマネージャーは務まらない、と思いました。
それに加えて、リョウさんに触れる時間が、減ってしまうかもしれません。
それは私にとって、非常に死活問題となりうるのです。
胸が痛みますが、お断りしなくてはなりません。
やはり、私はどうしようもない程に、自分勝手なのです。
彼女のおっしゃる通りに、意地が汚いのです。
「ありがとうございます。今のは、お褒めの言葉ととって、よろしいのですよね?
しかし…ごめんなさい。私は、あなたの様に彼等の輪に交わることは出来ません」
私がそう言った後、彼女のお顔は、少し険しくなったのです。



