シャッター音を聞き、デジタルカメラの画面を確認させていただきました。

お上手に撮っていただき、非常に満足いたしました。



「ありがとうございます…!」

「いえいえ。じゃあ、後はお二人でごゆっくり」

「また後でね、江波」

「あっ、おい!」



口々に台詞を吐かれると、皆さん何処かへ行ってしまわれました。

その場には、江波くんと私だけが残されたのです。

私は最初にとりあえず、手に持っていた桃色の小袋に入った、あるものを江波くんに差し出しました。



「これはお祝いの品で、クッキーです。受け取ってください」

「…っ!ま、まさか、深い…緑色の…?」

「ええ!」

「あ、は、ありがとうございます。はは…嬉しい、な」



江波くんにお喜びいただけて、私は感無量でございます。