めはくちほどに


分かれ道だ。

「君は良い家族を持ったんだね」

「……副社長、私の家族に会ってみます?」

扉が開く。
結構な人の数が降りていく。

僕は選ぶ。

「うん、会ってみたい」

名前も知らない。

全然笑わないし、あまり愛想もない。

でも君があまりに優しそうな顔で家族の話をするから。

「君、可愛いね」

照れている。
耳が真っ赤だ。




めはくちほどに END.