という言葉と共にジリリリリと目覚まし時計のけたたましい音が響く。すぐにそれを叩いて止める音がして、二人の妹が起きてくる。
この家族の良い所は、寝起きが頗る良い所だと思う。
「おはよお」
「おはよー」
高校生の葉苗と中学生の星子。
「お味噌汁持って行って―」
「はーい」
海都が最初に返事をする。テーブルにはいちおう副社長の分も出してあるけれど、食べるかな。
「それ私の靴下!」
星子が葉苗の履いている靴下を見て怒っている。
「ええ、どっちでも一緒だよお」
のんびりとそれに返す。そこで、副社長が起き上がるのが見えた。



