めはくちほどに


きちんと閉じる。

「そんな良い物件、安売りして良いんですか?」

「紺野さんにだけ、特別だよ」

あんまり優しく笑うので、どうして良いか分からなくなった。

家の近くのコンビニの前まで行くと、副社長がコンビニへ歩いて行く。

「副社長、コンビニなんて行くんですね」

「紺野さんは僕を王子かだと思ってるらしい」

図星だ。

「俺は普通にファミレスにも入るし、寝坊もするよ」

デザートのコーナーへ歩いていき、プリンを手にとる。甘いもの好きなんだな、とそれを見ていると、五個もカゴに入れるので「副社長、あの」と止めた。