めはくちほどに


寝顔を見ていても思ったけれど、この人整った顔をしている。
それも周りの人を惹き込むような。

私と一回りくらい違うのに普通に若い見た目。

あー近くにいてほしくない。中学のとき、クラスの美人が私を引き立て役にとずっとくっついて来たことを思い出す。

「……あれ、そういえば私に何か話があったんじゃないですか?」

レジの会計でお金を出そうとする副社長を無理やり押し込め、エコバッグに商品をいれていた。

隣で副社長が透明のビニール袋に入れている。なんて庶民的な絵図なのだろう。

「家族にもお詫びを申し上げたいと思って」

「そんな、気にしなくて構いませんよ」