「……なかないで。私が傍にいるから……」 私の小さな呟きは、彼の嗚咽によって掻き消される。 「……私があなたをまもるから。あなたの傍にいるから……。だから、だから……」 目の前で泣きじゃくる彼は何も聞こえていないようで、私を視界にさえいれてくれない。 「おねがいだから……私の、ほうを……」 彼はひたすら私の片割れの名前を呼ぶ。 どうして、どうして私じゃ駄目なのか……。