「……でも轢かれる直前にあの子の必死な顔をみて怖くなったの。私はまだやり残したことがある。あの子にも謝らなきゃって……」 私の通った道は、点々と濡れていく。 「そして、あの子が……」 「...……」 彼は何も言わない。 辺りからはコオロギの鳴き声しかきこえてこない。 「……次に目覚めた時は病院だった……」 「…………」 「だから私のせいなの。私はずっとこの罪と付き合っていくの」 すると先程から口を閉ざしていた彼が首を振った。