「なぁ、一成。」


「ん?何?」


一成が俺を振り返る。



「ごめん一成。昨日、あんなこと言って。悪かったて思ってる。俺は誰よりも一成が努力してたことを知ってた。なのに‥俺は‥一成の努力を全部、否定した。本当にごめん。‥ごめんなさい。」



また、涙が溢れる。



「絢人、いいって。気にすんな。俺もやりすぎだなて反省したし。絢人のおかげで気づくこともできたよ。それに‥ありがとな絢人。いつも助けてくれてありがとう。お前は俺のたいした右腕だよ。」




「そこは‥相棒じゃないの?」


俺は涙をふきながら聞く。



「絢人に相棒の名前をあげるのはまだ早いよ。」


一成は笑いながら言う。



久しぶりに見る一成の笑顔。



俺は一成が笑ってくれるなら何を言われても気にならないよ。














そして、数日後に夏の大会の初戦の相手が決まった。


公立校対決となった。



「7月15日が初戦かー。」



「初戦から優勝候補とかじゃなくてよかったね。」



俺は一成と帰りながら話す。


あれから、みんなと和解してから一成は以前のように明るくなった。



「なぁなぁ、7月15日は何の日か知ってる?」


「え?海の日とか?」



「はい、アウト!海の日ではありません!」


俺の顔の前でバッテンをつける一成に少しイラッとするがここはおさえる。



「じゃあ、なんなのその日は?」



「7月15日はなんと俺の誕生日なんだ!!」


「そういえば‥一成て7月生まれだったね。悪いけど、プレゼントはあげられないよ。俺、金欠だから。」



言われる前に先手を打つ。これが俺のやり方だ。



「まだ、何にも言ってないよ。誕生日に試合て何か面白くないなと思ってさ。負けたら、嫌な誕生日になるだろう?勝てばいいんだけどさ。」



「じゃあ、俺が一成の誕生日最高のものにしてやるよ!」


俺は思わずそんなことを言っていた。



「えっ!?何してくれるの!?」



「それは、秘密だよ。当日のお楽しみに。」



俺はあるアイデアが浮かんでいた。


まだ、内緒だ。


言ったら面白くないからな。