俺は気になってたことを聞く。
「さ‥坂井、一成に何を言うつもりだ?」
「そうだな。俺らが勝ったら一成にはキャプテンをやめてもらう。」
俺は少しほっとしたのだか、まだ続きがあった。
「それだけじゃない、野球部もやめてもらう。」
「!!?」
俺と一成は驚きのあまり言葉に出来なかった。
「まぁ、せいぜい頑張れ。勝つのは俺たちだ。」
そう言って坂井は行こうとする。
俺は慌てて坂井の腕にしがみつく。
「ま‥待って坂井!!それじゃあ、何の解決にもならないよ!」
すると‥
「‥どいつもこいつも、うるせー。」
そう聞こえたと同時に俺は地面に叩きつけられていた。
「‥‥‥っ!!!」
「絢人!!」
一成が俺に駆け寄る。
どうやら俺は坂井に柔道技をかけられたようだ。
「ちゃんと、受け身とれよて言ったはずなんだけどなー。まぁ、これでも手加減したからさ感謝してよ?じゃあまた昼休みにね。楽しみにしてるよ。」
そう言うと坂井は教室を出ていった。
俺は、痛みがありまだ立つことは出来なかった。
「絢人、大丈夫か?保健室行くか?」
「っ‥平気だって。大したことない。それより、おおごとにするなよ。こんなのただの遊びだ。大きくなると大会に出られなくなるからしゃべるなよ。絶対だ。」
「絢人‥お前‥。」
「じゃあな‥。」
そう言って、俺は教室を後にした。
このままじゃ、一成は野球部をやめさせられる。
一成にはやめてもらいたくない。
俺はどうしたらいい?
‥そうだ!打たなければいいんだ。そうしたら、一成は止めずにすむ。
そう考え俺は昼休みを待った。
四時間目が終わり野球部の3年はグラウンドに集まっていた。
「よーし、全員集まったな?」
その時にはすでにマウンドには一成がいた。
一成はピッチャーで4番なのだ。
つまり、チームの大黒柱なのだ。
「こんなにつまらない勝負、とっとと終らせるよ。」
一成は早くも振りかぶろうとした。
「まぁ、焦るなよ。なぁ絢人。お前、1打席無駄にするつもり?最後まで打たないでおこうとか考えてないよな?」
ドキッ!!
図星をつかれてしまう。
「あいつと最後の打席なんだからさ味わって打てよ。」
そう言われて俺は打席に送られた。
どうしよう。‥打ったら、打ったら一成は‥
一成が振りかぶる‥
そうだ!空振り!
ボールが通り過ぎるのを見て俺はバットを振った。
「ストライーク!」
「絢人。てめぇ、わざと負けようとしてないよな?」
坂井が怖い顔で俺に詰め寄ってくる。
その時‥
「絢人、打てよ。俺は本気でお前と戦う。だから、打て。」
「一成‥。」
「やるからには本気でやる。じゃなきゃ、俺はお前を許さない。」
一成の表情が真剣になる。
「さっすが。キャプテンは言うことがちがうねぇ!」