「久川さんの、彼氏さんどんな人ですか?」


咲希ちゃんが興味津々に聞いてくる。


「いたって、普通の彼氏だよ。」


「それじゃあ、どんな人か分かんないです。もっと詳しく!」


あんまり話したくないが、言わないと離してくれなさそうだ。


「そうだな‥優しくて私のことを思いやってくれる人かな。」


「そんな人、羨ましいです!!いいなぁ、久川さんは。」


すると‥


「神田さん!ちょっと来て!」


「は‥はい!今すぐに行きます!じゃあ、また!」


別の看護師さんに呼ばれ咲希ちゃんは行ってしまった。



(‥羨ましい‥か。私は‥咲希ちゃんの方が羨ましいよ。)



そう思い、私はスマホを開けた。


スマホには何も連絡が来ていなかった。



私はあの頃が一番、楽しかった。


今は、苦しくて苦しくて仕方ない。



圭太はもう、私のことなんて忘れちゃったのかな‥。


私は大学時代のことを思い出していた。