現在
「おかけになった電話はただ今、留守にしております。ご用の方はピーのあとにご用件をお話ください。」
私は通話を切った。
この半年、圭太とはメールも電話も繋がらない。
だから、私は不安で仕方がない。
本当に私のことを嫌いになってしまったんだろうか。それとも‥私のことなんて‥忘れてしまった‥。
考えたくもなかった。
あれから私は猛勉強の末、試験に一発で合格することができた。
圭太も第一志望の会社に受かることが出来たらしい。
その後は何回か、空いている時間を見つけて出かけたりとかはできたけど、ここのところはメールどころか電話も繋がらない状況だった。
今、圭太がどこで何をしているのかも分からない。
そんな悶々とした日々を私は過ごしていた。
そんな8月19日、ある人からメールが来た。
それは、待ちに待った圭太からだった。
“久しぶり。歩保元気か?連絡出来なくてごめんな。久しぶりに会いたいと思うんだけど、明日、俺の家に来られないか?”
‥という内容だった。
私は喜んで、すぐに返信をしていた。
“明日、大丈夫だよ。絶対に行くね!仕事終わってから向かいます!”
急だったけど、私の心は弾んでいた。
圭太に会える。久しぶりに会える。
8月20日はそんなことを考えながら私は仕事をこなしていた。
そして、定時になった。私は終わるなり仕事場を後にした。
夕食は圭太が用意をすると言っていたが、ただ食べるだけでは申し訳ないのでビールとおつまみを買って行くことにした。
圭太はマンションに住んでいる。過去にも何回か行ったことがあるので場所はわかっている。