「え?心結行っちゃうのかよ」


「うん、また冬休み明けに」



ヒロに手を振って、視界に悠貴入れないようにかすみの腕を掴んで反対側へと歩く。



「もしかしてさっきの郁人くんじゃない方の男の子って……」


「うん」


「なるほどね」



悠貴のことを自分でもどう思ってるかなんて導き出せてない。
でも、彼が以前に好きだった子と話してる姿を見るのは苦しかった。



「あんた、あの男の子のこと好きなの?」


「……わかんない」



好きか嫌いかって言われたら当然好きだ。
でも、まだヒロのことを好きだった気持ちとは違う気がする。



「確実に彩香ちゃんと話してるの見てからじゃん、おかしいの」


「そっ……」



かすみにはいつもすべて見抜かれる。



「それが好きってことなんじゃないの?」


「まだ違う気がするの……。だってあたしまだヒロのこと想ってる」



さっきだって、振袖褒められたの嬉しかった。