「あ、悠貴初めてか!」


「あ、そうだな……」



困ったように笑う悠貴。

初めてといえば初めてのような感じだけど。
あたし達は毎日話してる。
昨日の夜中だって、今日の朝だってLINEしてた。



「心結と付き合ってるとき、イツメンに会わせてなかったもんなぁ」


「そうだね」



相槌を打つので精一杯。
どんな顔をしたらいいのかわからない。



「あー!悠貴!」



誰か女の子が悠貴の肩をぽんっと叩く。



「おお、彩香!」



悠貴は目を細めて嬉しそうに笑う。



「彩香、普通俺んとこ先にこない?」


「あはは!郁人いたんだ!先にみえたのが悠貴だっ!」



ぺろっと舌を出すのは同じ高校の女の子だ。

わかった、あれだ。


──悠貴が好きだった幼なじみの女の子。



「あ、あたしそろそろ行くね!行こう、かすみ」


「え?うん」



かすみの振袖の裾を裾を引っ張る。