『いや別にいいけどさ。俺は俺を使ってくれて嬉しかったし』


「悠貴……」



ただ利用させてもらっただけなのに、こんなふうにに喜んでくれるなんて。
どんだけ悠貴は優しいんだろう。

〝俺を使うな〟って言われてもおかしくはないのに。



『俺さ、心結が好きじゃん』


「う、うん」



聞いてはいたけど、改めて言われるとなんだか恥ずかしくなる。



『だからさ、写真変えて?』


「え?」


『……っ!ごめん、嘘!彼氏でもないのに何いってんだって感じだよな』



はぁっとため息をつく。



「ま、待っててね?」



悠貴との通話画面からホームボタンを押して、ホーム画面にする。



『俺に気なんてつかわなくていいからねー』



正面に見据えるスマホからそんな声がきこえるけど、返事をしないでそのままLINEの画面を出す。


これでいいかな……。

写真一覧を開いて、見つけたのはかすみとの写真。