『そっかー!OKされたか!』



夜。
いつもの日課の悠貴との電話。
部活終わったあとの帰り道に悠貴からかかってくる電話が毎日の楽しみだ。



「うん。断られなくてよかった」


『まぁ、彼女の誘いだしな』


「うーん。なんかヒロ、イベントごとに無頓着そうで」



そういえば半年記念もなにもなかったし。
1年ですらなさそう。



『でも、中学のときの彼女とは……あ、ごめん』



前の彼女のことを言いそうになって慌ててる様子が電話からでもわかる。



「いいの。わかってるから。前の彼女のほうが多分好きだったってことくらい」



ヒロは入学した当初、卒業式に彼女に振られたと言っていた。
きっとまだ好きなんだろうなって思ってたから〝付き合おうか〟っていわれたときはびっくりしたもんだよ。

あの時も今も変わらないこと。
それは、あたしのほうがヒロのことを好きだってこと。

この想いの強さが逆転することはないんだろうと思う。