「そんな簡単じゃないよ」



ヒロのことを好きだからここまで頑張ってきたんだもん。



「見切りはつけたほうがいいよ……あまりに不憫すぎる」


「そうだね」



今の季節は秋。
あと2ヶ月でクリスマスがやってくる。



「クリスマスかな……」


「クリスマス?」


「うん。そこで他の子を選ぶようならバイバイするよ」



付き合って初めてのクリスマスぐらいは。
あたしを選んでくれるって信じてる。

ヒロだってあたしのことが好きなはずだから。
その日くらいはあたしを優先してくれるでしょ。



「さすがにクリスマスに他の子っていうのはないよね」


「でしょ。だからクリスマスに賭ける」


「でも、そこで心結と過ごしたからってアイツは変わらなそうだけどねぇ」



もちろん今のヒロから変わるなんて思ってない。
ただ、特別な日だけでもあたしを選んでくれたらそれでいいんだ。

あたしはヒロの特別だと思えるから。

あと2ヶ月。
この日にあたしは賭けてみることにした。