『ヒロみたいに浮気するやつ、はやく別れてしまえばいい、俺が幸せにしたいっておもうけど……』


「うん」


『ヒロは俺の大事な友達でもあって、あんな風だけどあいつすごい心結のこと好きそうだったし。そんなヒロのこと裏切れない』



悠貴の口調がすごく苦しそうで、あたしもなんだから苦しくなってしまう。



「ごめんね。なんか悩ませちゃって」


『俺が勝手に悩んでんだよ』


〝ははっ〟と笑う。



悠貴と話すと本当に心が軽くなる。

だから……



「あたしのワガママかもしれないけど、これからも電話できないかな?」


『俺も……それ言おうとしてた』


「……え?」



悠貴はヒロの友達だし、知った以上はもう話せなくなるんだと思ってた。



『でも、ヒロにバレないようにしろよ』


「うん。バレたら悠貴がまたサッカーできなくなっちゃうから気をつけてるんだよ」


『そっか。ありがと』



あたしのせいで好きなサッカーができなくなるなんて、そんなのは望んでないから。