「写メいらねぇの?」


「は!?いる!」



郁人のスマホにすごい勢いで食いつく。



「そんなに好きなら他の女にいくなよな」



ため息をつきながら俺も郁人のスマホの画面に目をやる。

画面にはお団子にして、浴衣を着てる女の子。
大きくて丸い目してるけど、少しタレ目で可愛い女の子だった。



「へーかわいいじゃん」


「悠貴!人の彼女みんな!」



ヒロの手によって、俺の目は閉ざされる。



「やめろよ。別に俺この子知らんし。そんな好きならまずは昨日のこと謝ったら?」


「……そうだな」



俺がこうアドバイスをしたのは昨日の心結を思い出したから。

〝謝ってきたらまたゆるすんだろうな〟って言っていた。

だから、きっとヒロの彼女も許しちゃうんだろうな。



「素直だな」


「他のやつの目に触れられるの耐えれない」


「だったらもう忘れないことだな」



郁人がヒロの頭をポンッと叩く。



「ほら、電話しろよ」



俺もヒロのスマホを渡す。



「お、おう」



ヒロは恥ずかしそうに俺の部屋を出る。