「心結、最近なんかあった?」



ヒロと2人で帰ってると、突然そんなことを言われた。



「なんか……?」


変わったことといえば、悠貴と電話で話して〝好きだ〟って言われたことくらい。



「なんか心ここにあらずな感じしてさ」


「そうかな?」



どうしてこうも、ヒロはあたしの変化に敏感なのだろうか。



「俺、心結のことめっちゃ見てんだからな?」



なぜか得意げに言う。



「ストーカーみたい」


「おい、彼氏にストーカーされるとかどんだけよ」



このあたしたちのテンポのいいやり取り。
これは、1度友達に戻ったからできるようになったものなんだ。

もしあのまま付き合ってたら。
ヒロが浮気をやめることもなかっただろうし、こんなに仲良くなることもなかっただろう。



「ストーカーが彼氏はちょっと……」


「おい、ちょっと本気な感じで嫌な顔するのやめろや」



あたしの髪の毛をワシャワシャって撫でる。



「もうー!ぐちゃぐちゃになる!」