「おい、心結なんなんだよ!」


「ヒロみたいに誰もが器用じゃないよ!ヒロはもっと人の痛みとか分かってくれてるって思ってた!」



それだけ言うと、ジャージのズボンを抜いでベンチになげつける。



「……なんなんだよ、そんなに怪我したことになんかあんのかよ」



そんなあたしを追いかけて後ろから抱きしめる。



「……友達も怪我して悩んでたから」


「ふーん。それ男?」


「は?」



今の問題にはまた関係のない話を持ち込まれてイライラが募る。



「俺みたの、心結のショートメール。登録されてないけどあれ男だろ」



嫉妬心メラメラの目であたしを見る。



「そうだよ?それがなにか問題でもある?」


「大ありだ。お前は俺のなんだから他のやつ見てんなよ」



ぐいっとあたしを引き寄せて、強引に唇を重ねる。



「……ヒロ」


「馬鹿とか思ってねぇから。ただムカついただけ」



ポンッとあたしの頭を撫でてベンチに座る。

やっぱりヒロは嫉妬心むきだしになる。
悠貴の素性は絶対に知られるべきではないと悟る。