「違……っ!」



苦しそうな顔の悠貴に胸が痛む。

こんな顔をさせたかったわけじゃないのに。
ただ、お祝いよりも悠貴に会えることが嬉しくてそれで満足しただけだった。



「前の彼氏から誕生日だって聞いたときの俺の気持ち……わかんねぇだろ」


「ごめん!そんなつもりじゃなくて……っ!」


「俺、最近妬いてばかりでさ。こんな自分がとことん嫌になるんだ」



悠貴は悔しそうに唇を噛む。



「ごめん。本当にごめん」


「なんで言わなかった?」


「なんか祝ってほしいって言ってるみたいで……」



いままで誕生日の話題が出たことがなくて。
だから、直前になって気づいてしまったらプレゼントをねだってるみたいで嫌だった。



「いいんだよ。俺は心結の彼氏なんだから。わがまま言っていいんだよ……我慢なんてするなよ」



グイっと引っ張られて気づけば悠貴の腕の中。



「……うん。でもね、本当に誕生日に会えることだけで十分なプレゼントだったの」



あたしがそういえば、クスッと笑う。