「部活できなくて辛いだろうね……」


「うーん、まぁ自業自得じゃね?」


「……え?」



ボールを蹴り続けながらヒロの言葉に耳を疑う。



「俺、怪我したくないからこそ部活ない時にこうして練習してんだもん」


「それはそうだけど」



悠貴だって毎日練習していたけど、怪我をしていたのを知ってるから。
ヒロの言葉に違和感を覚える。



「怪我するってことは、体幹トレーニングとかどっかで怠りがあったってことよ」


「そうなのかなぁ……」


「怪我して好きなスポーツできないなんて馬鹿みてぇ」



可笑しそうに笑うヒロに嫌悪感が募る。



「……バカ?」



大事な悠貴のことも馬鹿にされた気がして無性に腹が立ってくる。



「心結?早くボールくれよ」



あたしの足元で転がっているボールを指さす。



「あたしもヒロの練習付き合うなんてバカみたい!」



手でボールを拾って、ヒロに投げつける。